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市民健康講座

第307市民健康講座 (H26年11月28日)

テーマ狭心症・心筋梗塞を防ぐ生活習慣
講 師大阪大学大学院医学系研究科 循環器内科学 准教授 南野 哲男 先生
開催日時2014年(H26年)11月28日

 急性心筋梗塞の治療は、カテーテルを用いた経皮的冠動脈形成術による再灌流療法の開発や冠疾患集中治療室の普及など、過去30年間で著明な進歩を遂げました。病院に搬送された急性心筋梗塞の院内死亡率は10%以下にまで低下し、心筋梗塞の急性期予後は大幅な改善を認める一方で、梗塞後慢性期の心不全発症が大きな問題となっています。狭心症・心筋梗塞などの虚血性心疾患は、 年齢とともに増加する疾患であり、高齢化が急速に進むわが国では同疾患への取り組みの重要性がますます高まっています。本講座では、狭心症・心筋梗塞について理解を深めるとともに、正しい生活習慣による狭心症・心筋梗塞の予防について述べました。 最初に、聴講者全員に橈骨動脈拍動の触知法を伝え、心臓の絶え間ない働きについて実感していただきました(そのため、講演会終了後は脈拍数や不整脈について多くの質問をいただきました)。次に、William Osler先生の“人は血管とともに老いる”の言葉を紹介し、動脈硬化の成り立ちや狭心症・心筋梗塞が心臓を栄養する冠動脈の動脈硬化により生じることを説明しました。また、 狭心症や心筋梗塞にともなう症状やカテーテルを用いた診断・治療や冠動脈バイパス術について、映像を交えながら説明しました。特に、心筋梗塞では初期治療が大切であり、“救命の連鎖”では、一般市民も大きな役割を果たすことを述べました。抗血小板薬を含む内服治療薬の必要性と注意 すべき点を説明しました。また、心筋梗塞後心不全発症抑制をめざしたエリスロポエチンを用いた先進医療、阪大病院における人工心臓・心移植を含めた重症心不全への取り組みや再生医療などの最新医療を紹介しました。 最後に、正しい生活習慣による狭心症・心筋梗塞の予防について述べました。再び、Osler先生の“たいていの人は、剣によるよりも、飲みすぎ、食いすぎによって殺される”の言葉を紹介し、改善すべき生活習慣(運動不足、過食・塩分過多、喫煙、飲酒、ストレス)やコレステロール、 高血圧、糖尿病、メタボリックシンドロームなどの狭心症・心筋梗塞発症を高める危険因子について説明し、正しい食事療法・運動療法に加えて、適切な治療が必要であることを述べました。良い生活習慣を実践し、定期的な健診をうけ、医療の専門家と話し合いながら健康を維持することの 大切さをお伝えしました。

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