テーマ | 「よりよいハートチームをつくるために」 |
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担 当 | 大阪医科大学循環器内科 星賀 正明 先生 |
2014年5月31日に大阪医科大学看護学部講堂において、97名の参加者を迎えて看護セミナーを開催致しました。
今回のテーマは、「よりよいハートチームをつくるために」として、循環器領域におけるチーム医療に関する話題を取り上げました。
まず、「心臓リハビリテーションにおけるチーム医療」を大阪医科大学附属病院リハビリテーションセンター理学療法士主事 原田靖章先生と大阪医科大学循環器内科助教 坂根和志先生から御講演いただきました。現在の看護師、理学療法士、医師のチームに加え、薬剤師、栄養士、心理士など、より多職種が参加できる体制作りの重要性が話し合われました。
次に、「すべてのメンバーが主人公となる小児先天性心疾患チーム医療をめざして」を大阪医科大学心臓血管外科准教授 根本慎太郎先生から御講演いただきました。先天性心疾患チームは、強固なチームワークで出生前診断も含めて地域に密着したすばらしい医療を提供されています。リエゾン専門看護師や心理士が積極的に関与することで、患者様やご家族に寄り添うことが重要であると認識致しました。また、今後増加する成人先天性心疾患に関しては、今まで先天性心疾患の経験の少ない成人循環器領域の看護師や医療スタッフに対する教育が必要であることなどが話し合われました。
次に、大阪医科大学看護学部看護学科准教授 松尾淳子先生から、「携帯型エコーの看護への応用」を最新の話題として御講演いただきました。看護領域において、穿刺静脈の観察や褥瘡の評価を行う際に、エコーは強力なツールになることが紹介されました。エコー機器もスマートフォンサイズにコンパクトになり、看護の分野でもベッドサイドで汎用される日が近いことを実感しました。
最後に、公益社団法人 兵庫県看護協会 慢性心不全認定看護師教育課程主任教員 前田靖子先生から、「心不全チーム医療の要となる慢性心不全看護認定看護師の役割」のタイトルで御講演いただきました。全国で2カ所しかない慢性心不全認定看護師教育課程の教育理念や目標が明確に示され、大変感銘を受けました。会場には慢性心不全認定看護師の方が数名参加されており、ハートチームの要として活躍されている現状が紹介されました。今後は、専門外来の開設を目標として掲げられていました。
循環器領域におけるチーム医療の重要性と質の向上にむけて、活発な質疑応答がなされていました。今回のセミナー開催に当たり、ご尽力くださいました多くの関係者に、この場を借りて深謝を申し上げます。