テーマ | 人生を豊かにする生き方 ―ライフスタイル医学― |
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講 師 | 京都大学大学院医学研究科博士課程 医学専攻 循環器内科学 慢性心不全看護認定看護師, 心臓リハビリテーション上級指導士 鷲田 幸一 先生 |
開催日時 | 令和 5 年11月29日(水)午後2:00~3:30 |
「人生100年時代」と言われるようになりました。厚生労働省が報告した2023年の平均寿命は男性が81.05歳、女性が87.09歳でした。「いつまでも元気でいたい」、それは誰しもが願うことです。元気に自立して日常生活を過ごせる期間を「健康寿命」と言いますが、健康寿命と平均寿命との間には、男性で約9年、女性で約12年の差があります。
本日は健康寿命も平均寿命も伸ばす可能性のある、米国で1990年代から取り組まれているオーニッシュ博士が考案した「心臓病回復プログラム」を紹介します。心臓病回復プログラムは、4つの要素から構成されています。これらはひとつひとつ単独で取り組んでも効果があるとされていますが、一緒に行うことで相乗効果を発揮することができます。
- 植物性食品をベースにした食事
動物性タンパク質、脂肪、砂糖、精製された炭水化物を控え、果物、野菜、全粒穀物、豆類、大豆製品を中心とした、自然のまま加工されていない風味豊かな、植物性食品をベースとした食事を摂りましょう。日本では日本動脈硬化学会がThe Japan Dietを考案しています。魚や乳製品を含みますが、1970年代の日本での食事パターンは様々な原因での死亡や心血管疾患での死亡リスクを下げることが報告されています。
- 適度な運動
ウォーキングや筋力トレーニングなど、適度な運動に取り組みます。1日で座っている時間が8時間を超えると、様々な死亡リスクが高くなることが報告されています。1日20分は歩く、難しければ今より10分身体を動かす時間を増やしましょう。
- ストレス管理
ストレスは交感神経系を介して私たちの健康に直接的な影響を与えるだけでなく、全身の炎症が増加し、うつ病を引き起こすことにも繋がります。ストレスは、免疫機能を低下させ、また酸化ストレスを増大させ、様々な病気の発症に関わるとも考えられています。しかし、ストレスを取り除くことは容易ではありません。そこで重要なのは、私たちがストレスに対してどう反応するかということです。人生で起こっていることを変えることはできなくても、それにどう反応するかは私たちが決めることができます。ストレスをより効果的に管理することで、いくつかの病気は予防できるとも考えられます。ストレスを管理する方法のひとつとして、マインドフルネスを紹介します。
- 孤立を癒しに変える
孤独感、憂うつ感、孤立感を感じている人は、愛やつながり、共同体への強い感情を持っている人に比べて、病気になったり、あらゆる原因で早死にしたりする可能性が3倍から10倍高いと言われています。孤立を癒しに変えるコツをお伝え致します。
4つのことは、それほど難しいことではありません。よく食べ、よく動き、ストレスを減らし、もっと癒しを感じ、人生をより豊かに過ごしてもらえればと思います。