テーマ | その食べ方で大丈夫? 減塩以外の食事の注意点! |
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講 師 | 国立病院機構 敦賀医療センター 栄養管理室長 越後 朋彦 先生 |
開催日時 | 2019年(H31年)3月6日 |
様々な疾患により食事制限をされている患者さまは、それによる多くのストレスを抱えて日常を過ごされている方も多いかと思います。しかしこれまで学んでこられた食事療法が、現在は少しずつ 変わっていることも少なからずあります。人間の固定概念、先入観は生活を窮屈にすることがあります。例えばコレステロールの摂取量制限の撤廃をご存じなく、これまで通り「卵は一日一個まで」と思い込み、厳格に守ろうとされる方もまだまだ多いかと思われます。無制限に食べても良いというわけではありませんが、厳格に守る必要はないのです。 現在はインターネットを利用し、少し調べれば色々な情報を得ることができます。残念ながら医療関係者の認識が遅れていることも多々あります。とは言え、栄養管理の基本の一つが、体重の管理であることは変わりがありません。まずはご自身の標準体重から、推定必要エネルギー量を算出してみてください。体重管理=エネルギー(カロリー)制限とはなりますが、食べる量を減らすことばかりに 重きを置くのではなく、摂取内容を一度振り返ることも重要かと思います。特に総エネルギーに占める糖質摂取割合が多くなっていないか、確認をしてみてください。 糖質の摂取や血糖値からの言葉のイメージは、「糖尿病」が結びつく方が多いかもしれません。しかし「血糖値を如何に上げない食事内容にするか」はイコール「体重コントロール食」でもあることが分かってきています。我々の体は糖質を摂取すると、血糖値が上昇します。その後、インスリンの 追加分泌があり、血糖は低下するのですが、インスリンの働き(生理作用)は多く、その一つに「脂質の合成促進」があります。脂肪の摂取→体脂肪の蓄積を連想しますが、糖質の摂取→インスリン分泌→過剰な糖質が体脂肪に変わるイメージを強く持って頂く方が良いかもしれません。 これまでの食生活では簡便に食事を済ませる為に、「ラーメン&ライス」や「サンドウィッチ& お握り」を摂取されていませんか?これらはどちらも糖質源であり、最も体重が増えやすい料理の 組み合わせと言っても過言ではありません。一度ご自身が普段摂取される糖質量を振り返ってみてください。ただ食事療法については、画一的なものはありません。普段の体重が標準値内であれば、 体重管理においての食事法は間違っていないかと思われます。 また食事ばかりでなく、もちろん運動量を増やすことも体重コントロールに有益であることは言わずもがなです。