テーマ | 「 心エコー塾 2018.2.24 」報告書 |
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担 当 | 大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻機能診断科学講座 中谷 敏 先生 |
開催日時 | 2018.2.24 |
今年も大阪大学医学部附属病院卒後教育開発センターの後援の下、2018年2月24日、大阪大学医学部附属病院に隣接した最先端医療イノベーションセンターマルチメディアホールにおいて大阪ハートクラブ超音波検査セミナー「心エコー塾」を開催させていただきました。このセミナーは少人数で自由に質問できる雰囲気を大切にしたいと考え、「塾」と名付けて9年前から年度末に一度開催させていただいています。開催にあたってご協力いただいた大阪大学医学部附属病院卒後教育開発センターの先生方にこの場を借りて感謝いたします。 今回は大阪大学医学部循環器内科の仙石薫子先生による「エコー・ドプラ計測の基礎とコツ」、大阪大学医学部保健学科の浅沼俊彦先生による「虚血性心疾患のみかた」、大阪警察病院循環器内科の竹田泰治先生による「心筋症のみかた」、大阪大学医学部循環器内科の大西俊成先生による「弁膜症のみかた」、大阪大学医学部附属病院超音波センターの勝木桂子技師による「先天性心疾患のみかた」、そして最後に私がエコーに関する質問に何でも答えるという「Q & Aコーナー」と計6つのセッションを行いました。よくある疾患はすべて網羅されており、参加者数が例年よりも少なめだったのが残念でしたが、参加いただいた方にはたいへん勉強になったのではないかと思います。 心エコー検査が他の検査と違うのは検査者自らが能動的に関われるという点だと思います。CTでもMRIでも、特殊な場合を除いてはルーチンで撮られる画像からいろいろな診断が下されるわけですが、心エコーで正しく病態を把握して診断するためには、単にルーチンで撮る断面だけではなく自ら考え工夫して必要な画像を見にいく、断層像もドプラ法も駆使する、場合によっては体位変換や呼吸の仕方まで変えてもらって画像がどう変わるかを見るということまで行って正解にたどりつきます。そのためには解剖、病態、心機能等いろいろの知識が必要とされるわけで、その意味で心エコーは特に若い先生方には学んでほしい手技だと考えています。また日頃心エコー検査に携わっている技師さんにとっても、ともすれば独善的になる検査の 仕方を時折再チェックすることが必要です。その意味でもこの心エコー塾は大いに意味があるのではないかと思っています。 次回以降も、大阪ハートクラブ会員の先生方、あるいは関連施設の先生方が心エコー検査に対しての理解を深めるお手伝いをできるよう努力して参りますのでどうぞよろしくお願いいたします。