テーマ | 切らずに治す!心臓弁膜症に対するカテーテル治療の最前線 |
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講 師 | 大阪市立大学大学院医学研究科 循環器内科学 病院講師 水谷 一輝 先生 |
開催日時 | 2019年(R1年)11月13日 |
心臓の出口、中に位置している扉を心臓弁と呼びます。 これらが開きにくくなったり(狭窄)、閉じにくくなったり(閉鎖不全)すると心臓弁膜症と診断されます。心臓弁膜症の中でも高齢化社会が進む現代において、心臓の出口の弁(大動脈弁)が開かなくなる大動脈弁狭窄症、大動脈弁の手前に位置する僧帽弁が閉じにくくなる僧帽弁閉鎖不全症の患者様が増加しています。これらが重症化すると以前は胸を開いて心臓を止めて行う開心術しか治療法がありませんでした。しかしご高齢の方や、ADLが低下している方への実施はリスクを伴います。 現在では大動脈弁狭窄症に対しては足の付け根の血管からカテーテルを挿入することで弁置換(TAVI治療)することが30分程度で可能となっています。TAVIは手術リスクが高くない方においても良好な成績が示されており今後その治療適応が拡がっていくことが予想されます。僧帽弁閉鎖不全症に対するカテーテル治療 (MitraClip)もTAVIと同様に手術実施のリスクが高い方に施行可能な 治療です。 その一方で弁膜症はしっかりと診断し、定期的なフォローを受けることが重要です。
(LIFE: L; Listen(聴診), I; Interview (問診), F; Follow (フォローアップ), E; Explain (説明))
年に3~4回はかかりつけで聴診を受け、信頼できる心臓専門医におけるフォローを受けることを推奨致します。