2023年5月 ホームぺージをリニューアル致しました。

市民健康講座

第330市民健康講座 (H30年9月3日)

テーマさぁ、カラダを動かしましょう!   心臓病や血管病の予防・再発予防のために運動のすすめ
講 師山口労災病院 中央リハビリテーション部
 理学療法士 西村 真人 先生
開催日時2018年(H30年)9月3日

 運動不足による全世界での死亡者数は、年間約530万人で、喫煙による影響よりも多いです。反面、運動は動脈硬化の進展を抑制・改善し、また心臓や血管を保護し、健常者だけでなく 心血管疾患を有した方の体力も向上し、寿命も改善します。
 推奨される運動は65歳未満の方で、1週間に3 メッツ以上の身体活動を23 メッツ・時実施し、その内、息が弾み汗をかく程度の運動を毎週60 分行います。65歳以上の方は、横になったままや座ったままにならなければどんな動きでもよく、身体活動を毎日40 分、1週間に強度を問わず10 メッツ・時行うことを推奨されています。心臓や血管にご病気を持たれている方は、頻度は週に3~5回、1回に準備体操と整理体操を 5~10分、有酸素運動を20~60分行うことを勧められています。身体活動は、いわゆるランニングや水泳等の「運動」だけでなく、掃除や炊事・洗濯、買物、立ち仕事、子供と遊ぶなどの「生活活動」が含まれるので、これらを増やして頂くのが良いです。
 運動の強さは、鼻歌が歌える、息切れなく話ができる程度の強さ(これが有酸素運動)で、運動量の把握には歩数計等を利用したり、まとまった時間がなくとも時間を分けて運動するのも良いです。また、心血管病のリスクを下げるのに犬を飼うのも良いとされています。
 身体活動量を増やす工夫として、買物は週一回まとめてではなく分けて行く、食洗器を利用しない、ひと駅前で降車して歩く、週に一回念入りに掃除する、テレビを見ながらストレッチする、車はお店の入り口から遠くに駐車する等で身体活動量は増えます。また、継続して行うためには楽しく出来るように工夫し、友人と行ったり、暑さ寒さを避けるためにショッピングセンターを利用したり、たまには実施したことに対し自分にご褒美を上げるのも良いでしょう。
 注意事項として、久しぶりに運動を開始する方は運動をしても大丈夫か?心臓病をお持ちの方は運動の処方をして頂くために、まず診察を受けましょう。急に体力が落ちた(スピードが上がらない、息が切れる等)は、「歳」や「運動不足」が原因と思い込まずに、何らかの病気に罹患している可能性があると考えて、早期に受診しましょう。また運動は、食直後や起床直後から1時間以上空け、夏は脱水に注意し冬は防寒を心がけ、前日の疲れが残っていたり、 体調不良なら無理せず休みましょう。そして、必ず準備体操と整理体操をしましょう。 

  • 第330市民健康講座 (H30年9月3日)_1