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平成30年5月26日(土)看護セミナー

テーマ「心不全における患者教育と地域連携」

 2018年5月26日に大阪市立大学医学部4階中講義室にて、22施設82名の参加者を迎えて看護 セミナーを開催いたしました。  今回のセミナーは「心不全における患者教育と地域連携」をテーマとしました。 第一部では、「心不全における患者教育と多職種での取り組み」として、大阪市立大学医学研究科循環器内科学の柴田敦先生より、心不全の疫学や治療など基礎的な講演をしていただいたあと、 当院で2011年から実施している多職種による患者教室と個別的患者指導について、中川夏輝看護師、櫻井紀宏薬剤師、河合杏奈管理栄養士、清水将史認定理学療法士から現状と課題を提示していただきました。入院期間が短縮するなかでの効果的、効率的な患者教育について考えることができました。 第二部では、「都市部における地域連携の問題点と新たな取り組み」として、大阪市立大学医学 研究科循環器内科学の花谷彰久先生より「都市部における地域連携の問題点」と、大阪市立大学 医学部附属病院 慢性心不全看護認定看護師 阪口綾香先生より「認定看護師の外来看護実践から考える患者教育と連携」について講演をしていただきました。花谷先生の講演では、社会の高齢化に伴い特に都市部で心不全患者が増加し非循環器専門医を含めた地域での診療が必要になってくることや、患者によって利用する基幹病院とかかりつけ医の組み合わせが様々で、医療機関ごとの 指導内容や緊急時対応、管理方法が異なることなどの問題点をあげていただきました。それを解決するために、大阪心不全地域医療連携の会で作成されたハートノート・心不全ポイントの活用について説明をしていただきました。また、阪口先生の講演では、外来での実践をとおして、患者・ 家族の在宅でのセルフモニタリングや、受診のタイミングの判断がむずかしいことがあげられ、 病棟・外来と地域との連携についての課題をあげていただきました。ハートノートなどのツールを、訪問看護師やケアマネージャーなど在宅療養にかかわる職種の方にも活用をしていただいて、連携 につなげていければと考えています。 2017年度改訂の急性・慢性心不全診療ガイドラインでは、患者教育、患者あるいは医療者による症状モニタリング、治療薬の調節,看護師による継続的なフォローアップなどで構成される疾病管理プログラムは、心不全の生命予後やQOLの改善に有効であるとし、多職種でのチームアプローチによる疾患管理の重要性が示されています。今回のセミナーが、多職種での患者教育や地域連携へのきっかとなれば幸いです。 最後になりましたが、セミナー開催にあたり、講師の方々をはじめご協力いただいた関係各位に心より御礼申し上げます。