テーマ | 循環器疾患の急変を防ぐ ー心臓・血管系の病気と上手に付き合うにはー |
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講 師 | 大阪府立成人病センター 副院長(循環器内科) 淡田 修久 先生 |
開催日時 | 2012年(H24年)5月6日 |
循環器(心血管)疾患の治療は近年大きく進歩しています。しかし経過中に病気が急変進行して重症化される方も時折みられます。
循環器(心血管系)疾患の急変の原因として、1)動脈硬化巣の不安定化(プラーク破綻)、2)血栓塞栓症、3)急速な心機能低下(前負荷ないし後負荷の不適合)、の3項目があげられるでしょう。その予防法をあげてみますと、
1)動脈硬化巣の不安定化(プラーク破綻):脂肪・糖などの血中での急増を避ける、血圧の急変を避ける。リスクファクターのコントロール。
2)血栓塞栓症:脱水を避ける。脂質のコントロール。血栓の危険性の把握と予防薬の服用。
3)急速な心機能低下(前負荷ないし後負荷の不適合):暴飲暴食を避ける。ストレスに注意。感染症に注意。適切な日常生活。
が考えられます。この基礎には循環器(心血管系)疾患の発症・進行に関与する危険因子(リスクファクター:高血圧、脂質異常症、糖尿病)の適切な管理がなされていることが前提となります。さらに近年変化しつつある日本人の食生活の是正にも考慮する必要があります。脂肪にかたよるエネルギー摂取、ファーストフードへの嗜好、質の低い食材の使用、等々も長い目で見れば疾患の発症・進行・悪化に寄与してきます。
上記にあげた様々な項目は一人一人の方々が自分自身で取り組んでいただく事柄が多く含まれています。是非、明日からの健康生活の参考としていただきたいと存じます。